キャブコンってどんな車?
トラックをベースとして、荷台部分にキャンピングカーを架装したもの。
いわゆる皆が思い浮かべる「ザ・キャンピングカー」な形で、比較的大きなキャンピングカーとなります。
細かく分けると少し小さいライトキャブコンとキャブコンに分かれております。
ライトキャブコンのベースはトヨタ・タウンエース/ライトエースと最近生産終了となったマツダ・ボンゴ、変わり種ではバンである日産・NV200バネットをカットしたモデルもあります。
キャブコンのベースはトヨタ・カムロード(ダイナのキャンピングカー仕様)が多数。バンをカットしたトヨタ・ハイエースベースや、いすゞ・エルフのキャンピングカー仕様Be-camベースのものもあります。
架装部分はキャンピングカー専用に設計していますので、サイズに対する車内空間は最大。それを就寝定員に振るか、余裕部分とするかはモデル次第です。
人気の二段ベッドタイプだと、ライトキャブコン、キャブコンどちらも乗車定員は6-7人、就寝定員も6-7人は取れます。
キャブコンのいいところ
・室内空間が広い
バンコンのように車内改装だけにとどまらず、ボディを作る意味はこれです。
普通の自動車は屋根方向に向かうにつれてすぼまるような形をしていますが、キャブコンは3m近いところにある屋根までまっすぐ壁。
ボディの寸法ギリギリまで車内を広げられるわけです。
高さも余裕を持って立てる高さを持ち、運転席上にバンクベッドがあるモデルは就寝人数も増えますし、逆に荷物スペースにしたらかなり積めます。
夫婦旅でも、別々に寝ることができるのはキャブコンならではでしょう。
・断熱性能が高い
バンコンでも断熱材を入れたり、窓を小さくする/変更して(窓が広いと開放感はある反面寒い)、断熱性を上げていますが、キャブコンには敵いません。
軽バンコンは、リアハッチのあたりが寒かったですね。リアガラスのアクリル化は高かったんです。。。
キャブコンはボディがFRP でできていますし、窓も初めからアクリル。断熱性はかなり強いです。
・意外と小回りがきく
キャブコンはボディサイズの割には小回りが効きます。
それは、ホイールベース(前輪と後輪の長さ)が短いこととハンドルの切角。
よく配達で使われているトラックをイメージして貰えばわかりやすいです。
狭い道でも入っていっていますよね?
ドライバーさんも上手ですが、実は運転しやすい車なんです。
・意外と小さい
キャブコンは大きいでしょ?とお思いですよね?
幅は結構ありますが、長さは意外と短いんです。
ライトキャブコンの人気車アミティの全長は4,690mmでトヨタ・ノアとほぼ同じ。
キャブコンの人気車コルドリーブスは全長4,990mmですので、トヨタ・アルファードとほぼ同じ。
こう聞くと、乗れそうな気がしません?
もちろん中はミニバンと段違いの広さがあります。
・トイレが設置できる
マルチルームを装備する車両も多く、トイレが設置できます。特に小さな子供がいる家庭では便利ですよ。
キャブコンの悪いところ
・乗って行く場所が制限される
特に都市部では、キャブコン一台で全ての用事をこなすことは困難です。
新宿のデパートには乗っていけませんし、スーパーの立体駐車場もだめ。
高さ制限のある道路もNGになります。
地方で広い平面駐車場があるところだと買い物にも使えますが、東京の我が家ではもう一台軽自動車が必要でした。
・置き場所も制限される
広大な自宅駐車場があれば別ですが、東京ではキャンピングカーを置ける月極駐車場を探すのは難しいです。
我が家の場合も結構探しましたし、借りたところは車体よりもかなり広いところ。その分お値段も割増です。
・走りが悪い
バンコンもそれほど良くないらしいですが、キャブコンはトラックに目一杯の重さの架装を載せていますから、乗り心地がいいわけがありません。
ですので、カムロードのキャブコンに乗っている人は、足回りに手を入れることが多いです。
タイヤホイールは初級編で、195幅のタイヤを215幅に変えます。これだけで安定感が2割増。あとは予算に応じエアサス組んだり、サス変えたり。
本格的にやるとかなりお金がかかるので、覚悟する必要があります。
また、ライトキャブコンは重量に対しパワーがなく、苦しいようですね。カムロードもガソリンで重い架装(ジルとか)だと走らないようです。
ディーゼルなら追越車線も走れますよ。
・目立つ
明らかにキャンピングカーの外観ですから、満足感はある反面、目立ちます。
「キャンピングカー持ってるなんてお金持ち」って思われる可能性はかなりあります。(お金の使い方次第だと思うのですが)
キャブコンの代表的なモデルと値段
・バンテック・ZIL520 / ¥8,140,000(税込)〜
手前味噌ですが、我が家のキャンピングカーです。一押しです。
人気のセンタードアの二段ベッドモデルで、7人乗車/7人就寝を実現。ダイネットを片付けずに4人寝られるのが魅力です。
また、装備は一通りついている全部入り仕様で、内装も高級感があるので満足度は高いです。車両は高いですが、リセールもいいという話も。
・セキソーボディ・TOM200 / ¥6,476,800(税込)〜
ハイエースの後部を切って、キャンピングカー架装したモデル。スタイリッシュな外観と、アルミの軽量なボディ、高いユーティリティが魅力。
私もキャブコンに乗り換えるときに候補に上がりましたが、当時は家庭用エアコンの用意がなく断念。今は一部のモデルで設定があるようです。
・A to Z・アミティ / ¥4,378,000(税込)〜
ライトキャブコンの一番人気。生産終了となったボンゴをベースとしているので、ボンゴの在庫限りの販売となります。
値段が大きな魅力で、ミニバンと大差ない予算で買えます。オプションを足していくと、これでは収まらないわけですが。
レイアウトも多彩で、基本のタイプは6名乗車/6名定員のタイプです。
キャブコンの維持費
ZIL520(3Lディーゼル)の場合です。
・自動車税:40,800円/年
・重量税:32,800円/2年
・自賠責:24,020円/2年
あとは保険と整備代です。あれだけ大きくても、税金は普通車とそう変わりません(自動車税は同じ排気量の2割安)。
キャブコンをおすすめしたい人①ファミリー
ファミリーには絶対おすすめ。
狭くても仲良く過ごせる時もあれば、兄弟がいれば喧嘩になる時もありますし、夫婦も、、、?
キャブコンのサイズがあれば、プライバシーが守れる空間ができます。これは長期旅には必須ですね。
ダイネットも広いので、ゆったり過ごせます。
トイレがあるモデルは(なくてもマルチルームにポータブルを置けば)、小さな子ども連れに特におすすめ。急なトイレも大丈夫です。
女の子がいる家庭では、夜のトイレで外に出すのも怖いので、そういった面でも便利です。
キャブコンをおすすめしたい人②ペット連れ
基本的にキャンピングカーを検討している全ての人におすすめなのですが、ペット連れだと余裕があっていいかと思います。
二段ベッドの一部をペットスペースにするとか、ちゃんと人間とペットを分けて置くだけの余裕が出ます。
また、家庭用エアコンを装備するモデルであれば、駐車しているときにペットを車内に残しても安心です。
キャブコンをおすすめしない人
バンコンとの長所/短所をよく比較した方がいいです。
・狭い道を走りたい人
これは明らかに向きません。キャブコンは行き先が制限される乗り物です。
どこでも行けるというのも大事な性能ですので、そういう方にはハイエースの標準ボディ以下のバンコンがいいでしょうね。
・それほど旅に出ない人
旅に特化した性能を持つ車になるので、旅をしないと意味ありません。
普通に乗るには乗り心地は普通車に劣りますし、常設のベッドも無用の長物。
キャンピングカーとしてある程度の頻度で使う見通しがないと、おすすめしません。
ただ、我が家のように軽バンコンを買ってキャンピングカー旅にハマり、結果キャブコンに買い換える、というケースもあるので難しいところです。
まとめ
キャブコンの魅力は広さ。
普段使いには我慢を強いられますが、それを上回る魅力が広さです。
長期旅や、アウトドアを本格的にやりたい(=荷物が多い)人にはぴったりのツールです。
ただ、買ったけど出かけなかったという人もそこそこいるのか、低走行の中古を見かけるのもキャブコン。
いきなりキャブコンではなくて、レンタカーで試した方がいいかもしれません。
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