キャブコンと言われるトラックベースのキャンピングカーのベースであるカムロードがまもなくモデルチェンジを迎えます。
そのベースとなりますトヨタ ダイナが先日モデルチェンジしたので、レポートします。
環境性能、安全性能が大幅に向上した訳ですが、70万円以上の値上げはかなりの痛手となりそうです。
比較対象
新型のカムロードのベースはわかりませんが、旧型のダブルタイヤモデルで使われていた1.35tモデルは見当たりません。
1.6tモデルが近そうなので、これで比較してみます。
旧型: シングルキャブ/2WD/ロングデッキ/フルジャストロー/木製荷台/ダブルタイヤ/最大積載量1.35t/ディーゼル/4AT
新型: シングルキャブ/2WD/ロングデッキ/フルジャストロー/木製荷台/ダブルタイヤ/最大積載量1.6t/ディーゼル/6AT
外装
外装はLEDヘッドランプに変更になったことで目元が精悍になりました。
また、プリクラッシュセーフティのミリ波レーダーがバンパーに入るので、ナンバー位置が変わります。
個人的には、ナンバーはセンターにある方が好きですね。
内装
内装は変更ありませんが、シフトレバーが固定式になったことと、メーター内に集中液晶ディスプレイができたことです。
新しい安全機能と尿素SCRが追加されたので、その機能を表示させるためですね。
スペック
ここが大きな変化点です。
新型ダイナではシングルタイヤは廃され、小径ダブルタイヤとダブルタイヤの2種になります。
ポストポスト新長期規制に対応するためにエンジンを一新。ディーゼルは3.0Lの1KD2.8Lの1DGに一新され、尿素SCRが追加されました。
トランスミッションも、カムロードになるAT車は4ATから6ATに変更され、1.0km/Lの燃費改善。MTとATの差は旧型は▲1.8km/L(ATの方が悪い)あったものが新型は▲0.3km/Lまで縮まっています。多段化により、かなり優秀なATとなったと言えるでしょう。
尿素SCRが追加されたので、重量は60kg重くなっていますね。
旧型 | 新型 | |
エンジン形式 | 1LD-FTV | 1DG-FTV |
排気量 | 3.0L | 2.8L |
エンジン出力 | 144PS | 144PS |
トランスミッション | 4AT(A442E) | 6AT(AC60E) |
重量車モード燃費値 | 9.8km/L | 10.8km/L※ |
排気ガス | ポスト新長期 | ポストポスト新長期 |
車両重量 | 1,920kg | 1,980kg |
※燃費については車両総重量で細かく条件が分かれており、比較対象車型のみ9.9km/Lとなっているが、多くの車型に準じ比較表では10.8km/Lと記載
装備
今回の目玉は安全装備の充実化。
別にトヨタの親切心でつけているわけではなく、自動ブレーキが2021年11月に義務化されるので、それに合わせた法規対応です。
追加されたアイテムはこちらです。
旧型 | 新型 | |
プリクラッシュセーフティ (歩行者・自転車運転者検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式) | ○ | |
レーンディパーチャーアラート | ○ | |
前進誤発進抑制機能・低速衝突被害軽減機能・クリアランスソナー | ○ | |
ABS | ○ | ○(EBD機能付) |
VSC[車両安定制御システム](TRC付き) | ○ | |
オートライト | ○ | |
オートマチックハイビーム | ○ | |
ヘッドランプ | ハロゲン | LED |
LEDフォグランプ(Gパッケージ) | ○ | ○ |
ATシフトレバー | 可倒式 | 固定式 |
結構高齢の方も乗るキャンピングカーですから、法規とはいえ安全装備が充実するのは大歓迎です。
折角ミリ波レーダーと単眼カメラをつけたのなら、アダプティブクルーズコントロールもつけて欲しかったですね。追加コストはあまりかからないはずです。
オートライトやヘッドランプのLED化は快適化の中で人気のアイテムでしたので、標準化は嬉しいところ。
意外なところでは、ATのシフトレバーが固定式に改悪されました。旧型乗りは誇っていいところです。
上記はダイナの変化点ですが、カムロードでは尿素タンクが追加されたせいで80Lタンクが装着できず、60Lになってしまうという未確定情報があります。
価格
肝心の価格です。
旧型: 3,067,200円
新型: 3,791,000円
何と、723,800円の大幅アップ!
6速AT化による燃費向上や、プリキャッシュセーフティなどの安全装備充実化で魅力は増している訳ですが、ユーザーとしては恩恵を感じられない排ガス規制対応に多額のコストがかかった結果、このような大幅な値上げになっています。
排ガス対応と安全装備の法規対応がいっぺんに来たので、衝撃が大きいのですね。
カムロードでも70-80万円の値上げは覚悟しておくべきでしょう。
キャンピングカーはどうなる?
華香値上げのインパクトが大きいので、ビルダーさんはいくらか買い溜めをしているでしょうけど、じきに新型に切り替わります。
ジルやクレアのクラスでは1000万円の大台を超えてくるかもしれませんね。
ここまで価格が上がると、エルフベースの(びぃーかむ)キャンピングカーとの値差が縮まりますが、日本特殊ボディ(NTB)しか扱っていないので当分独占状態なのでしょう。
まとめ
カムロードのベース車、ダイナのモデルチェンジの内容をレポートしました。
環境性能、安全性能が大幅に向上した訳ですが、70万円以上の値上げはかなりの痛手。
手軽な旧型カムロードベースのキャンピングカーが欲しいのであれば、急いだ方が良さそうです。
コメント
コメント一覧 (3件)
ちょうどキャブコン検討しておりビルダーをいくつか回っていたところ、新型カムロードのニュースを聞きつけました。確定情報としてあまりまだネット上では整理されていないように思えたので、このようなBlogは大変助かります。
ただしかし、ビルダー4-5社回りましたが現行型の4WDのベース車は既に売約済みで手に入れるのは相当難しそうでした(2WDはまだ猶予がありそうでした)。
まるまるさん、コメントありがとうございます。
お役に立てたようであれば、大変嬉しいです。
値上げは、内容をコストで考えれば納得というか、少なくともぼったくりではないのです。
ただ、環境規制対応はユーザーからすると実利がないので、難しいところですね。
良いモデルを入手されること、お祈りしています。
他にもキャンピングカーの記事ありますので、よろしければ是非。
[…] 新型カムロードのベース車トヨタ ダイナ(1.0t)モデルチェンジ […]