バンコンってどんな車?
バンをベースとして、荷台部分をキャンピングカーに改装したもの。
ハードルが一番低いので、一番売れているジャンルとなります。
ベースはハイエースが一番多く、同じサイズではキャラバン。小さなサイズではタウンエース/ライトエースやNV200バネットがあります。
少数派ですが、ノアやステップワゴンなどのミニバンをベースにした車両、メルセデスやフィアットなどの輸入車ベースもあります。
見た目はベース車そのもの。風景に溶け込みます。ハイエースやキャラバンの上級グレードは乗用で乗っている方も多いですので違和感ないですね。
乗車定員や就寝定員はまちまち。ハイエースのスーパーロングなら10人乗りがある一方、小さいサイズだと4人乗り/2人就寝のモデルもあります。
仕様もまちまち。価格もまちまち。何せ種類が膨大ですから。
ベッドと簡単な家具、サブバッテリーのモデルもあれば、なんでも揃って1000万円近くするモデルもありますよ。
バンコンのいいところ
・車体が小さい(ハイエース標準ボディまでに限る)
キャブコンは大きくて行く場所を選びますが、ハイエースナロー(配送で使われるサイズ)までだとミニバンサイズ。
軽キャンピングカーほどの機動力はないですが、日本全国大抵のところは行けます。
うっかり酷道や林道に入り込んでもびびることはないですし、小さな駐車場しかないお店にも自由にいけます。
普段使いも可能ですので、セカンドカーを持つ必要はありません。
買い物ついでに、ちょっと足を伸ばして泊まっちゃおう!みたいに、気楽に旅ができるところが一番の魅力です。
・走りがいいモデルがある
これはモデルによってまちまちですが、キャブコンがトラックそのものである一方、バンコンは全高が控えられているケースが多いので運転しやすいです。
バンコンでは欧州車ベースのものがあり、これは高速走行の性能が高いですから、キャンピングカーの中では一番速い部類になります。
目的地まで最短時間で飛ばして(法定速度は守りましょう)、現地でゆっくり。そんな使い方にはもってこいですね。
・車両価格が安い
何だかんだでキャンピングカーにする架装代がかかればかかるほど、キャンピングカーの価格は上がります。
逆にいうと、ベースのボディが大きくて内装が質素なキャンピングカーが、坪単価では一番安いということ。
タウンエースで200万円台から、ハイエース標準ボディで300万円台から、ハイエースのスーパーロングで400万円台から。
ここまでついて来た人は気付きましたね。軽キャブコンと遜色ない値段でハイエースが狙えるんです。
普通車との比較でも、改造範囲が狭ければベース車との価格差はそれほど大きくないですし、寝心地は段違い!
人気の理由がわかります。
・広い
これまたモデルによるのですが、軽キャンピングカーよりは段違いで広いです。
維持費はそれなりに上がるのですが、金額差の分はありますね。
・安全
自動車メーカーの作ったボディを切っていないバンコンは、安全性も自動車メーカー基準。比較的安心できると言えるでしょう。
バンコンの悪いところ
・見た目が普通
いいところにもなるのですが、見た目が普通。よく言えば目立たない、悪く言えばキャンピングカーらしい見た目ではないです。
キャンピングカー乗りの中では、スライド(すれ違い)するときに手を振る文化があるのですが、バンコンだとキャンピングカーかどうかわからないので手を振れないです。
・キャブコンと比べると狭い
軽に比べると広いんですよ。
でも、滞在するとなると狭い。人数が増えるともっと狭い。
高さがそれほど高くないのと、車体幅が狭いので、車内で家のようにというわけにはいきません。
狭さが理由で、ハイエーススーパーロングからキャブコンに乗り換えた人を何人も知っています。
・車体が長い(ハイエーススーパーロング)
ハイエースだからどこへでも乗っていけると思ってはいけません。
スーパーロングは全長5.4m。よく走っているキャブコンは5mです。
この40cmが大きくて、普通の駐車場に行ったら頭がかなり出ます。
また、小回りも効かないので、狭い道も苦手です。
バンコンの代表的なモデルと値段
バンコンの大手ビルダー、トイファクトリーのフラッグシップ。対面ダイネットや常設ベッドを装備。品のある室内で、筆者も給電くん時代は憧れました。
温かみのある素材を使った特別仕様Casa Home Style Editionは2020年キャンピングカー・オブ・ザ・イヤー大賞受賞しました。¥6,050,000(税込)〜
思い切ったハイルーフでスペースを稼いだライトエースベースのバンコン。ルーフ部はおちびちゃんベッドとなっており、子ども二人就寝可能。
キッチンが着き、ポータブルトイレスペースも置ける、本格派仕様でファンも多い。¥4,202,000(税込)〜
キャンピングカー乗りの憧れ、ハイマーのバンコンがハイマーカーです。その中でもSydneyは全長5mのコンパクトサイズ。
ポップアップがついており、4人就寝となっていますが、快適に使うには2人でしょう。
キッチンなどの装備が一通りついているのは当たり前。
気になるのは走りですね。178psの高出力エンジンとコンパクトな車体ですから、高速で追越車線を維持して走るのは余裕でしょう。
価格は改定中とのこと。
バンコンの維持費
バーデンの場合です。
・自動車税:40,800円/年
・重量税:24,600円/年
・自賠責:34,900円/2年
あとは保険と整備代です。軽より断然高いので、用途とお財布をよく考える必要があります。
バンコンをおすすめしたい人①ファミリー
ファミリーにおすすめできるのは、このバンコンのサイズから。
軽だと4人で旅するのは結構厳しいのですが、ハイエースサイズ以上であれば楽々。
車内で長く過ごさず、トイレなどの設備がいらないのであれば、バンコンがベストチョイスと言えるでしょう。
飛行機だと一瞬でいける距離を、あえて地べたを這ってじっくり走る。高速移動では気づかない発見や、そこにしかない美しい景色に出会えます。
子どもいる方で迷っているのでしたら、すぐに買って旅を始めた方がいいです。
子どもが大きくなるのはあっという間、今ですよ!
バンコンをおすすめしたい人②夫婦orカップル
タウンエースクラスで快適に使えるのは、おそらく二人までです。
二人であれば、リアシートは展開せず、ずっとベッドにしたままで過ごせますので、シートを畳んだり起こしたりのストレスはありません。
長期旅行でも、荷物はそれなりに積めますし、車内にトイレがなくても、道の駅にはトイレあるので割り切れば大丈夫。
価格は少し高いミニバンくらいなので、若い夫婦でも負担なく乗れます。子どもが生まれても、しばらくは使えますし。
気が向いたときに、気軽にいけるバンライフにはバンコンはぴったりのツールですよ。
バンコンをおすすめしない人
特別おすすめしない人というのは無いのですが、キャブコンとの長所/短所をよく比較した方がいいです。
・長期旅をする4人家族/ペット連れ
旅は長くなればなるほど荷物が増えますし、人が増えると窮屈になります。当たり前ですね。
バンコンは、たとえスーパーロングでも、高さ制限はありますし、天井に向かってすぼまっている車体形状から、広々感はありません。(キャブコン比)
荷物も、旅の着替えまでならいいですが、アウトドア用品を入れるとなると、バンコンでは物足りなくなってくるはずです。
・エアコンやトイレを求める人
夏の車旅に不可欠な停泊中に使えるエアコンは、だいぶ使えるモデルが増えてきましたが、小さなモデルには無いことが多いです。
エアコンないと、夏の車中泊は難しいですよ。アイドリングすれば別ですが。
また、トイレもスペースの関係上難しいですね。フリースペースがあるバンコンはごく少数です。
まとめ
バンコンの魅力は万能性。
手に届く価格、目立ちすぎない存在感、どこへでもいけるサイズ。
キャンピングカー入門編としては入りやすく、またベテランキャンピングカー乗りが乗るだけの理由もあります。
ただ、バンコン狙いの人も、他の種類に目を向けて欲しい。
キャブコンは抜群の広さがありますし、軽バンコンは狭いなりの魅力があります。
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