2022年4/29-11/13まで開催されている大地の芸術祭。
夏は暑くて回るのが大変ですが、秋は涼しくなり、周遊するにはぴったり。
全部回るには1週間は必要だと思いますが、一泊二日でも十分楽しめます。
2006年から毎回参加している筆者が、旅の準備とモデルコースをご紹介。
有名な作品あり、美味しいグルメあり、楽しめること間違い無いです。
旅の準備
大地の芸術祭に2006年以降毎回参加している筆者が、このイベントならではの準備をご紹介。
ポイントは、広くて山道が多いところをどう回るか、です。
パスポートの購入
大地の芸術祭を回るにはパスポートが必須。
前売りもやっていますが、早割は7/29までですし、無理に前売りで買う必要はないです。
ただ、ポイントを考えるとasoviewでの購入がお勧め。クレジットカードも使えます。
ネットでいつでも買えるので、出かけることが決まってから購入。
現地の引換所で引き換えをして、すぐに旅が始められます。
小さな車で回るのがおすすめ(ターボ付き軽自動車 or ハイブリッド小型車)
まずは交通機関。
大地の芸術祭のツアーバスは運転が苦手な方にはおすすめ。
コースが決まるのは難点ですが、効率よく安全に見学ができます。
ただ、自由に行きたい、奥地の作品を見たいとなると、車で回るのがベスト。
作品がある地域はかなり山道も多く、小さい車で行くことを推奨します。
また、山道ですから、パワーがない車はきつい。
軽自動車のレンタカーが後ろに渋滞を作っているの、よく見かけました。
総合すると、レンタカーを借りるならハイブリッドの小型車がベスト。
車種で言うと、ヴィッツ/ヤリスハイブリッド、アクア、ノートe-Power、フィットハイブリッドです。
アクセスを考えると、上越新幹線の越後湯沢駅で借りて、中里地区から回っていくのがお勧めです。
東京23区より広大な地域なので事前予習必須(1日2地域が限界)
地図で見るとわかりにくいですが、大地の芸術祭が行われる十日町は760㎢と非常に広いです。
ちなみに東京23区が622㎢ですから、それより広いです。
その上、平面ではなく、地域の間には山があります。
面積だけ考えても広いので、ガイドブックでの事前予習は必須。
回り方は、同じ地域の作品を集中的にまとめるのは必須ですが、一日2地域くらいが限界でしょう。
浅草と品川と池袋、いっぺんに行けないのと同じです。
事前予習にはガイドブックがお勧めですが、現地しか販売していないガイドマップ(100円)もマストアイテム。
地域間の位置関係が大きな地図で一目で見れるので、距離感が測りやすいです。
宿泊施設は少ないので早めの予約を推奨
十日町地区は大きな街ではありません。
しかも、もともと観光地ではないので、ホテルは多くない。
それゆえに、ホテルは争奪戦となります。
コツは二つ。
・とにかく早く予約する
・地域を広げて検索
レンタカーで移動するのであれば、六日町や湯沢市、上越市は1時間以内で行けます。
特に湯沢はスキー場が多いので、宿泊施設多めで、夏はオフシーズンですから予約取りやすいです。
1日目 7:30:湯沢ICスタート
筆者は東京から自家用車で向かっていますが、湯沢発着で説明していきます。
越後湯沢へは東京から新幹線で90分。
大地の芸術祭が開催される十日町/津南へは、ここからレンタカーで30分ほどのドライブとなります。
越後湯沢はレンタカー屋さんが多いこと。
また、有名な清津峡渓谷トンネルは朝一番に行くのがベストですから、越後湯沢でのレンタカー乗り換えを推奨します。
清津峡トンネルに8:30の開館一番に行くには、越後湯沢に7:30ごろには到着していたいところです。
8:30〜9:30:清津峡渓谷トンネル<Tunnel of light>(N079)
ここは言わずと知れた映えスポットです。
芸術祭期間以外でも混むので、早い時間に行くのがマスト。
早く行かないと、駐車場が埋まるばかりでなく、駐車場に行く道も大混雑します。
(駐車場の出入りがないと前に進めないため)
他の会場より早い8:30から入れるので、1泊2日で行く場合はまずここを目指すのをお勧めします。
見晴所も個性的ですが、ハイライトはパノラマステーション。
渓谷の絶景を背景にした水鏡が印象的で、人気の撮影スポットです。
ここでもかなり待つことも、早く行くべき理由の一つです。
足湯<ベリースコープ/潜望鏡>
トンネル入り口近くにある売店兼茶屋。
この二階にベリースコープという足湯があります。
お湯はぬるめ。
不思議な光に包まれる、アートな体験ができます。
10:20〜10:30:旧津南小学校大赤沢分校(M074)
大地の芸術祭、廃校を使った作品がすごく多いですが、旧津南小学校大赤沢分校もその一つ。
長野県境に近い山深いところにあります。
旅猫という大人しい猫が迎えてくれるので、ちょっとほっこり気分。
私が気になった作品は、記憶のプール。
開校当初から廃校までのプールの写真を中心に、プリントや学校の写真で作られています。
そう、泳ぐプールだけじゃなくて、記憶全てを表すプールなんです。
開校からの歴史の記憶。廃校になり、これからは土に還っていく。
なんとも言えない寂しい気分になります。
11:00〜11:20:妻有双六<かたくりの宿>(M076)
次女が行きたがったのがここ。
妻有双六という、原寸大の双六が設置してありました。
双六のコマと、マスに止まった時のイベント用の小道具。
こんなん大人でも楽しい!
コマは立体でタイヤがついていて、紐で引っ張って進みます。
イベントは、
・ピアノを弾く
・跳び箱を飛ぶ
・フリースローをする
・フラフープをする(止まらなくてよかった!)
・本棚の本をランダムで選んで、開いたページを音読
など、学校感満点!
子どもよりも大人が楽しんじゃいました。
11:30:津南醸造で日本酒をお買い上げ
通りすがりに、日本酒ののぼりを見つけました。
津南醸造という、地元の酒蔵です。
アートの街だからか、おしゃれな建物。
飲みやすくて香りがいいお酒をお願いしたら、つなん 藍をお薦めされました。
帰宅してから飲んだら、なるほど飲みやすい。
香りも強すぎることはなくて、どんどん飲めるというか、1日で3/2飲んじゃいました。
12:10-12:50:たからやで名物のカツ丼
ご飯どころに困りがちの、大地の芸術祭。
あまり観光地ではない田舎ですから、飲食店が少ないんです。
途中、もらったマップで見つけた「たからや」。
大名かつ丼が名物なんですって。
次女、お前も大名になるのか?
ぺろっと完食、、、は出来ず、カツが残りました。なぜ?
薄めのカツに甘くて濃いソース。
卵がかなり固まってるのは、私好みではない。
でも、個性的なカツ丼に満足しました。
13:10〜13:25:上郷グローブ座(M057)
上郷グローブ座も、廃校の作品です。
子どもはやはり学校生活が気になるそう。
東京の小学生から見ると、人数の少ない過疎地の学校生活は新鮮でしょう。
13:50〜13:55:家の記憶(Y-072)
この作品は結構好きで、恐らく3回目。
廃屋を使った作品です。
家中に蜘蛛の巣のように張り巡らされた毛糸。
その中に、昔使われていた家財道具があります。
昔は賑やかだった大きな家。
そして、その中で生きていた家具。
でも、もう二度と活躍することはない。
在りし日の風景を思い起こさせますね。
14:00〜14:15:最後の教室
初期の頃からある、大きな廃校作品。
廃校の体育館がメインで、生で見るともっと暗い中に、光が浮いて見えます。
個人的には、秋よりも、夏の暑い中の方がらしい感じがします。
15:00〜15:15:パレス黒倉(Y-113)
オーストラリアハウスに行こうと思っていたのですが、夏で終わってました。
このパレス黒倉は、山道の中にある上、駐車場から山道を少し登ります。
光が印象的な展示で、中がクリアになっている石が面白いです。
一方で、昔の部屋がそのままあるような展示も一見の価値あり。
古いラジカセとか、懐かしいです。
15:30〜15:45:三省ハウス(Y-027)
こちらは宿泊もできる大きな箱です。
行った時には、芸人さんが漫才をしていました。
お客さんは、地元のお年寄り二人と、展示物を見に来たと思われるビジター数人。
ネタは、、、コメントはやめときます。
芸人魂を感じられました。いろんな意味で。
16:00〜16:30:まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」(D053)
夕方結構な雨の中着いたのが、松代駅前の「農舞台」。
松代地区の中心施設となります。
廻転する不在(D359)
今回初登場の「廻転する不在」
主人のいなくなった自転車に新しい息を吹き込んだ作品となります。
この作品、端っこに運転席があって、実際に漕げるのです。
漕いだら、この大きな作品が動きます。
大雨の中でしたが、次女が漕いでくれました。
こういう遊べる作品があるのも、大地の芸術祭のいいところです。
関係ー黒板の教室/引き出しアート(D058/D218)
農舞台内の作品です。
教室全体が黒板になっていて、自由に絵が描けます。
引き出しにもアート作品が仕込んであって、これも楽しいです。
20:00:道の駅 クロステン十日町で車中泊
全然芸術祭と関係ない、燕市までラーメンを食べに行った後、十日町に戻って車中泊。
今回はアルトで行ったので、まぁ狭かったです。
軽自動車で行くならミニバンタイプがおすすめですね。寝ることを考えると。
2日目 7:20:消えた集落 閉村の碑からよみとるもう一つの理由(D382)
翌朝。
車中泊で朝食もないので、行動開始は早いです。
初めに行ったのはこちら。
「消えた集落 閉村の碑からよみとるもう一つの理由」
400年続いた旧松代町の小貫集落は平成四年に閉村。
その閉村の碑を中心として、在りし日の状況を表現しています。
実際に足を運ぶと、よくこんなところで生活していたなぁというのが正直な感想。
この過酷な環境の中続いた400年もの生活に思いを馳せられます。
小脇プロジェクト(K111)
住宅廃材を材料とした、「自分が住みたい街」の模型を集めた作品。
子どもの作品が400作品集まると、なかなか壮観で見応えがあります。
ここも分校跡地だそう。
8:20〜8:35:ナカゴグリーンパーク
時間があったので、ナカゴグリーンパークへ。
夏会期は「里山アートどうぶつ園」という作品がありましたが、終わっていました。残念。
8:50-9:00:節黒城跡(K008)
近くに城跡があるらしい。
ということで行ったのが、節黒城跡。
すごく見晴らしの良い展望台があるのでおすすめです。
山道はちょっと険し目です。
(こんな道は結構あります。)
9:05-9:15:節黒城跡キャンプ場 コテージ群(K009-K011)
節黒城跡キャンプ場のコテージも作品になっています。
予約がどのくらい大変かはわかりませんが、宿泊すると楽しそうではあります。
10:00-10:40:越後妻有里山現代美術館 MonET(T025)
昔は「キナーレ」って言っていましたが、今は「MonET」になっています。
こちらは十日町地区というより、芸術祭全体の中心施設。
美術館も面白い作品がいくつかあります。
11:00-11:50 小嶋屋総本店
十日町といえば「へぎそば」
そのへぎそばの名店が、小嶋屋総本店です。
ここは大変な人気店。
行くならオープン直後です!
食事が終わった12時ごろは凄い行列ができておりました。
名物はそばですが、新潟ですから海鮮物も食べれます。
私は海鮮ちらし膳(1,980円)、次女はお子様いくら丼(605円)にしました。
そばはそば粉の味がしっかり!というよりも、ツルツルした「のどごし」を楽しむタイプのもの。
美味しいので大盛りにして正解でした。次女にも分けたところ「美味しい」って!
海鮮丼のご飯は酢飯が選べると嬉しいな。私だけかな。
12:15〜12:45:奴奈川キャンパス(D331)
再び松代地区に戻ります。
これ、気軽に地域間を行き来していますが、距離がありますので、同じ地域でまとめて回ることをお勧めします。
私のはあまりいい例ではないです。
奴奈川キャンパスも廃校跡を利用した作品。
2013年に閉校となったとのことで、最近まで子どもがある程度いたんですね。
おぼろげな記憶は、学校で使われた実験道具などを、すりガラスでぼやかした展示。
現実世界で使われたものが実際に使われなくて、記憶の世界に入ってぼやけていくところが表現されています。
パラダイスは、パンデミックの強制隔離を経験したアーティストの作品。
はなしるべ(D338)
奴奈川キャンパスの外にある手動のトロッコ。
緑の校庭の中を、爽やかな風を感じながらゆっくり進む。
気持ちのいい時間が過ごせます。
13:25〜13:45:越後妻有清津倉庫美術館「SoKo」(N072)
また中里地区に戻ってきたわけですが、十日町地区から湯沢方面に帰るときは通り道。
最後に越後妻有清津倉庫美術館「SoKo」に寄りました。
こちらも廃校跡です。(どれだけ廃校があるのだろう)。
清津峡小学校は2009年に閉校。その後、越後妻有清津倉庫美術館「SoKo」としてリニューアルされました。
体育館の展示がメインですね。
今回の新作は、プールの底に。
音がプールに反響し、不思議な世界を感じられます。
14:20:湯沢インター
中里地区から山道をいくつか走り、この度の終点の湯沢に到着。
新幹線で往復、レンタカーで現地を回るのであれば、もう少し遅い時間でも大丈夫でしょう。
ただ、東京方面に帰るのであれば、このくらいの時間に湯沢にいるのがベスト。
というか、これでも帰りに渋滞にハマり、大変でした。
まとめ
越後妻有 大地の芸術祭2022 1泊2日おすすめの回り方でした。
旅の準備は4項目。
・パスポートの準備
・レンタカーの手配(マイカーなら不要)。ハイブリッドなコンパクトカーがお勧め。
・プランをあらかじめ決める
・宿は早めに手配。少し遠くも含めて検討
回り方は自由ですが、私が回った有名どころはいくつか押さえておくと満足度が高いでしょう。
会期は11/13までと残り少ないですが、秋は夏に比べると人が少ないのでお勧め。
気持ちいい季節。気軽なアート体験と美味しいグルメの旅はいかがでしょうか。
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