キャンプに役立つポータブル電源。
夏に、家庭用エアコンのテストをしましたが、大容量のタイプだと大きな電力を使う家電も使えることがわかりました。

今回、家庭用冷蔵庫でテスト。
普段使いでポータブル電源を使って稼働することはまずないですが、災害時など予期せぬ停電の時には役立つはず。
結果は、かなり満足いくものになりました。
目的は地震/停電などの防災対策
東日本大震災の記憶は、10年以上経った今でも忘れられません。
東京はそれほどの人的被害はありませんでしたが(それでもお亡くなりになられた方がいました)、電力不足が深刻になりました。
計画停電で一日数時間電気が止まったり、電車が運休になったり。
三陸の大惨事とは比べ物になりません。
ただ、普段当たり前のように電気の恩恵を受けていた私たちにとって、「電気が使えない不便さ」はすごく身近で困った問題でした。
私が持っているポータブル電力はエアコンが動きますから、冷蔵庫も動くはず。
突発的に発生する数時間の停電。
それに、東日本大震災の時のような計画停電であれば、電気が供給されるときに充電ができるので、冷蔵庫の維持ができる。
そんな仮説を持って、実験をしました。
Jackery 1500とは?
Jackeryのポータブル電源の中で一番容量が大きいモデル。
現在はマイナーチェンジでPTB152が販売されていますが、私のはPTB151。
定格容量は約1,500Wh、1800Wまでの家電製品が使えるので、家庭用エアコンも大丈夫です。
今まで家電製品で実験をしてみたり、

充電方法を研究してきました。

前置きはこのくらいにして、実験開始です。
テストする冷蔵庫
普通のマンションに入るファミリータイプと思ってください。
2016年式の三菱電機製MR-B46ZL-W
容積が455Lで消費電力263kWh/年。
定格消費電力が電動機76W、電熱装置220Wなので300W以上の出力があれば稼働します。
これが何時間動くのでしょうか?

今買うとこのモデルです。消費電力はちょっと減っています。

実験開始(12:00)
12:00、実験開始です。
当日の気温は20℃。室内は25℃くらいでした。
スタート時の残量は99%です。(満タンですが、100%の表示が出ませんでした)
開始数分で147Wの表示。12Hとなっていますが、冷蔵庫は温度を調整しながら動くので、予想が難しいです。


1時間10分経過(89%)
13:10、1時間10分経過しました。残量は89%。前回からの時間、1分あたり0.14%減。
12時間動くペースで、順調。残り9.6Hという表示なのですが正確なのでしょうか?
OUTPUT表示は141Wです。


2時間20分経過(82%)
14:20、2時間20分経過しました。残量は82%。前回からの時間、1分あたり0.1%減。
出力が二桁の時間が長く、電費が良かったです。
定期的に三桁に跳ね上がるので、ここから17時間は持ちません。


3時間00分経過(79%)
15:00、3時間00分経過しました。残量は79%。前回からの時間、1分あたり0.08%減。
画像はたまたま出力0W。冷蔵庫は冷やしては冷却をやめているので、電気を全く食っていない時間があるのです。
エコの研究開発の賜物ですね。
食材が年間を通して冷凍/冷却されて、7,000円くらいの電気代ですから、すごいなぁと思います。


5時間00分経過(70%)
17:00、5時間00分経過しました。残量は70%。前回からの時間、1分あたり0.08%減。
これ、寝るまでに終わらないのではないかと思いました。
この時間電費がいいのは、冷蔵庫を全く開けない時間が多かったかもしれません。


6時間00分経過(58%)
18:00、6時間経過しました。残量は58%。前回からの時間、1分あたり0.20%減。
夕食を作り始めたからか、結構ガッツリ減ります。
冷蔵庫の開け閉めがいけないことが、実感としてよくわかります。
出力も瞬間的にですが200Wを超えていますね。


7時間00分経過(48%)
19:00、7時間経過しました。残量は48%。前回からの時間、1分あたり0.16%減。
なぜか夕方になると減りが早くなります。
残量が半分を切って、終わりが見えてきました。
単純計算では後7時間もちますが、どこまで行けるのでしょうか?


8時間10分経過(29%)
20:10、8時間10分経過しました。残量は29%。前回からの時間、1分あたり0.27%減。
この時間、ガッツリ減りました。
それほど冷蔵庫を開閉したわけではないのですが、飲み物を取ったり色々したのが悪化の原因でしょう。
冷蔵庫は電気が切れると食材が悪くなって困るので、ドキドキの時間が始まります。


9時間20分経過(19%)
21:20、9時間20分経過しました。残量は19%。前回からの時間、1分あたり0.14%減。
減りのペースは落ちましたが、それでも一番電費のいい頃に比べると悪いです。
残り19%だと、ここから持って2時間です。


実験終了-10時間00分経過(14%)
22:00。実験終了です。あと1-2時間持つとは思いますが、事故(=食材廃棄)を起こしてはいけないので。
結局、10時間00分は稼働しました。前回からの時間、1分あたり0.125%減。
あの大きい冷蔵庫が10時間動くなんて、驚きです。


結果発表
結果をまとめます。
600分間使用して、累計電費は0.14%/分でした。
残量 | 区間電費 | 累計電費 | |
開始(12:00) | 99% | – | – |
70分(13:10) | 89% | 0.14%/分 | 0.14%/分 |
140分(14:20) | 82% | 0.1%/分 | 0.12%/分 |
180分(15:00) | 79% | 0.075%/分 | 0.11%/分 |
300分(17:00) | 70% | 0.075%/分 | 0.09%/分 |
360分(18:00) | 58% | 0.2%/分 | 0.11%/分 |
420分(19:00) | 48% | 0.16%/分 | 0.12%/分 |
490分(20:10) | 29% | 0.27%/分 | 0.14%/分 |
560分(21:20) | 19% | 0.16%/分 | 0.14%/分 |
600分(22:00) | 14% | 0.125%/分 | 0.14%/分 |
他の機種ではどのくらい持つ?
Jackeryの製品で言えば、Jackery 708以上の機種で冷蔵庫が動きます。
今回の実証値で計算した理論値ですが、算出してみました。
708 | 1000 | 1500 | |
定格容量 | 708Wh | 1002Wh | 1534Wh |
出力 | 500W | 1000W | 1800W |
冷蔵庫稼働時間 | 4.6時間 | 6.5時間 | 10時間 |
安い時は70,000円をきるJackery708でも、5時間弱は冷蔵庫を稼働できそうです。
計画停電だと厳しいですが、とりあえず考える時間はできそう。
安定して動かすには、今回実験したJackery 1500クラスが望ましいですね。
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電気代を節約するヒント
今回改めて分かったのは、「冷蔵庫の開閉は電気を食う」ということ。
冷蔵庫の開閉がない時間と、夕飯時など開け閉めをする時間で3倍以上の電気を使うことがわかりました。
災害時は冷蔵庫を開けないことが大事ですし、普段でも開け閉めを少なくすることで省エネになります。
まとめ
何時間もつか予想がしにくかった冷蔵庫の実験。
結果的に10時間もち、実用に耐えるという結論になりました。
実際の停電時はこれに加えてスマホの充電をしたり、テレビなども動かしたくなるのですが、Jackery 1500クラスがあれば結構安心できます。
キャンプだけでなく防災用品としても、ポータブル電源はお勧めです。
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